●ツバルの被害レポート1999年11月 |
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未分離は1999年10月にNHKと共にツバルの視察を行いました。その時の資料を基に、現在ツバルに起きている問題を簡単に説明しようとおもいます。平均海抜1mにも満たない珊瑚礁で出来たこの島国は、海水面の上昇に対してもっとも抵抗力が無い場所とされています。 |
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海水面の上昇による問題は、最初に海岸線の浸食から始まります。左の写真では、浸食が進んだ結果、道路の半分以上が波によって流されてしまっています。 植物を植えることで、浸食のスピードを遅らせていますが、この状態で台風による高波を受けると、波は道路を越えて道に面した家々までに達してしまうことでしょう。 |
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この写真は、高波が島の上を通り越して、ヤシも道も流してしまって一度完全に寸断された部分です。ツバルは珊瑚礁の環礁(指輪のような形の島)ですから、島の細い部分の幅は5mもないので、海水面がちょっと上昇しただけでも、波が島の上を通り越してしまうのです。 |
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波によって寸断された部分をコンクリートで補修しています。コンクリートなのでヤシや植物が育ちません。ヤシや植物の根はかなり強く、砂や砂利を固定する力があり、成長し続けるので地形の保持力があります。コンクリートは永久的な材料ではないので、決定的な解決とは言えないかもしれません。 |
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しかし、植物がいくら強いと言っても、ツバルでは通常の波によって、この写真のようにヤシの木が倒され続けています。島を守っているヤシの木が倒れてしまうと、海岸線はどんどん浸食を受けて、ついには下の写真のようになってしまいます。 |
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この状態になると、常に波に洗われてしまいますから、ヤシの木も育たずに、浸食されてやがて消えてしまいます。 |
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1996年の高波の被害の写真です。背景に見える青い屋根の建物は飛行場のビルで、その手間、横にのびる白い部分が滑走路です。波が島の中央部分まで入り込んできている状態が分かります。 |
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海水面の上昇による影響は、目に見える浸食という被害の他に
といった被害もあり、そのような被害が出始めた時点で、人間が住めない土地になってしまいます。ツバル政府は国民の移住計画の検討を始めています。 |
Merry Christmas from Christmas islandは温暖化による海面上昇の被害を受けている南の島々の現状を、多くの方々に知っていただきたいという目的で未分離デザイン研究所 Site Communication が1999年より制作・販売しています。売上の一部は海面上昇の被害を受けている現地政府に提供されています。
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