パソコン用スプレー 高い温室効果

2004/05/18

身の周りにある物で、何気なく使っている物が実は有害だった!ということは過去にもよくありました。食品の着色剤や防腐剤が人体へ悪影響を及ぼすことが分かったのはそんなに昔のことではありません。

今回朝日新聞で報道されたのは、僕たちが日頃パソコンの掃除用に使っている、ホコリを飛ばす為に使うエアースプレーに非常に強い温暖化効果ガスが使われているという大変ショッキングな内容です。

記事の見出しの「代替フロン」は、地球のオゾン層を破壊してしまうので国際的に規制されている「フロンガス」の替わりに使用されている物ですが、オゾン層を破壊しない替わりに、強力な温暖化効果があることが報道されています。

代替フロンの中でも、スプレー缶の中によく入っているのが、「HFC134a」というガスなのだそうですが、このガス、二酸化炭素の1300倍の温室効果があるそうです。

NGO「気候ネットワーク」の調べによると、スプレー1缶の温室効果は、21型テレビを一日4時間半見た時の発電による二酸化炭素発生量の22年分!にあたるそうです。

これでは、「もったいない」を合い言葉に、節約したり色々工夫したりしている努力が、一瞬で水の泡です。

朝日新聞 2004/05/18 朝刊

そういえば、僕の事務所にもスプレー缶があります。「エアブロワー エコタイプ」とか書いてありますが、大丈夫かな?とおそるおそる裏のラベルを見てみると、「HFC-152a」と書かれています。えっこれは大丈夫なの?と思って記事を読み返してみると、「HFC-152a」は温暖化効果が従来品の10分の1程度だが、可燃性があるので普及が遅れている、と書かれています。これは困りました・・・10分の1といっても二酸化炭素に比べると130倍の温室効果があるということです。パソコンについたホコリを飛ばすたびに、温暖化してしまうなんて!エアースプレーは絶対に使わないようにしなくてはいけません。

NGO「気候ネットワーク」では、「脱フロン・キャンペーン」という運動の中で、HFC入りスプレーを「買わない・使わない」ことを呼びかけています。上記のページの中では、どんなスプレーに代替フロンが使われているのかも紹介してくれています。気になる方は覗いてみてください。

経済産業省や環境省も対策に乗り出しているようで、空気を使ったコンパクトな電動式ホコリ飛ばし器の開発などをはじめているようです。僕たちの対策は簡単です。手持ちのスプレーが空になったら、次から買わないようにすればいいのです。メーカーに返品するのも良い手段でしょう。これからは、カメラ用のポンプ式のブロワーを使うことにして、僕は早速手持ちのスプレー2本を返品することにしました。

みなさんのパソコンの脇にもエアスプレーの缶がありませんか?早速チェックしてみてください。